写真や動画データの保存、どうしていますか?保存方法のメリット・デメリット
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スマートフォンの普及とともに大量の写真や動画データがたまり、整理に困っている人も多いのではないでしょうか。
また、令和の時代に入ってからも凶悪な事件や事故などのニュースが後を絶ちません。2019年6月に起こった神奈川県で実刑判決の確定した容疑者が刃物を振り回し逃走した事件では、防犯カメラの映像から容疑者の足取りをつかむ様子が報道されていましたが、自宅に防犯カメラを設置したものの撮影データの保存先に頭を悩ませている方もいらっしゃるかもしれませんね。スマートフォンや防犯カメラの他にも、ドローン、ドライブレコーダーなど、個人が管理する動画データも多様になっています。
今回は、個人が管理する写真や動画データの保存方法について考えてみます。そして、その中でも、近年普及しているクラウドストレージについても考えてみます。
まずは写真や動画データを保存したりバックアップをとったりする場合に、どのような方法があるのか、主な方法をご紹介します。
<主な保存方法>
(1)HDD(ハードディスク)
容量が大きく、大量のデータを保存しておく場合に便利な方法といえるでしょう。ただし、HDDは構造上衝撃に弱く、長期間の保存を考えると、心配があります。壊れてデータが読みだせなくなった経験がある方もいるのではないでしょうか?確実に残すことを考えると、RAID機能付きのHDD(複数のハードディスクを組み合わせた製品。ミラーリングをすると、自動的に複数のハードディスクに同じデータをコピーするため、片方に不具合が出てもデータを読み出せる)を検討するのがよいでしょう。
(2)SSD
SSDはその構造上から耐衝撃性に優れていますが、壊れたときにはデータ復旧の難易度が高いと言われています。HDDと違って書き込み回数に制限があり、またHDDに比べると容量あたりの単価は高いです。
(3)SDカード
コンパクトで場所も取らないSDカードは、デジタルカメラやスマートフォンの記録メディアとして使用されています。書き込み禁止に設定することも可能なため、誤ってデータを消去したり書き換えたりするリスクを減らすことも可能です。一方で、コンパクトであるがゆえに紛失してしまうリスクもあるため、取り扱いには注意が必要です。また、製品寿命を考えると、長期で保存したいときには不安があります。
(4)CD・DVD・BD(ブルーレイディスク)
CD-RやDVD-R、BD-Rは一度書き込むと消去したり改変したりすることができないので、書きかわると困るデータを保存しておくには向いているでしょう。また、価格が安いので、家族や友人にデータをあげるときには手軽に使えますね(しかし最近では、CDやDVDドライブが装備されていないパソコンも増えています)。ただし、ふだんお店で買うような家庭用の製品だと、製品寿命を考えると、長期で保存したいときには不安があります。
(5)USBメモリ
SDカード並のコンパクトさで持ち運びも簡単。データをUSBメモリに保存するためにはいったんスマートフォンやデジタルカメラからパソコンに取り込み、パソコン上でデータの移行をしなければならない手間はかかります(スマートフォンやタブレットと直接接続できるUSBメモリも登場していますね)。ただし、やはりUSBメモリにも寿命がありますから、長期での保存には不安があります。
(6)クラウドストレージサービス
ここ数年の間に台頭してきているクラウドストレージサービスは、インターネット上にある保存領域にデータを格納できるサービスです。そのため、(1)~(5)の方法のように、記録メディアを自分で管理する必要がないので、ストレージ自体を破損したり紛失したりといったリスクはありません。一方で、オンラインならではのリスクもありますし、長期的に保存するという視点で考えるとサービス終了のリスクについては念頭におきたいところです。
このように保存方法はいろいろあります。一時的に保存しておく場合にはよいのですが、「想い出深い写真データ、消したくない動画データを、ずっと残しておきたい」と考えると、どの方法でも、1つだけで完璧な保存方法はありません。それぞれの特徴を知り、組み合わせて使う必要があります。
ご紹介した保存方法のなかでも、物理的な記録メディアが必要ないクラウドストレージサービスは、便利ですが、当然のことながらメリットとデメリットがあります。クラウドストレージについて、少し詳しくみてみましょう。
次のようなメリットがあります。
◆安い料金から利用できる ◆機器をつなぐ手間が省ける ◆物理的な記録メディアとちがって、記録メディアを自分で管理する必要がない
◆自分以外との共有がしやすい
一方で、たとえば次のようなデメリットもあります。
◆料金プランによって保存容量が決まっている/無制限の場合にも注意点がある
◆サービスプラットフォームが提供終了するリスクがある
◆不正アクセスによるデータ消失・情報漏えいのリスクがある
◆アップロードやダウンロードに通信容量を使用する
「写真や動画データをずっと残したい」と考えたとき、1つだけで完璧な保存方法はありません。また、クラウドストレージは、個人利用で、身近な保存方法となってきており、確かに多くのメリットがあって使いやすいサービスではありますが、同時に少なからずデメリットも存在します。特に思い出深い写真データや、消したくない動画データについては、複数の手段で多重管理しておくことをおすすめします。大切な写真や動画データを保存するうえでのヒントにしてみてくださいね。1.写真や動画データの保存方法
2.クラウドストレージサービスのメリット
無料、または月額数百円程度から利用できるサービスがあります。月額料金がかかるということはトータルで考えると高くなるのでは?と考える方も多いですが、HDDやSSDなどの記録メディア、またそれらを扱うハードの買い替えや買い増しなどにかかるコストや手間と比較して検討するのがよいでしょう。
写真や動画はスマートフォンで撮影するという人にとっては、HDDやSSDなどの記録メディアに保存しようとすると、いったん、スマートフォン本体やSDカードをパソコンに接続してデータを格納しなければなりません。しかし、クラウドストレージは本体からインターネットを経由して直接保存できるため、そのような手間がかかりません。
前述のとおり、物理的な記録メディアではないので、故障や破損を自分でメンテナンスする必要はなく、また、失くしてしまう心配はありません。現物を保管・管理する必要がないことは大きなメリットといえるでしょう。
旅行などに行った際の大量の写真や動画データは、メールで添付して一度に送ることは難しいものです。クラウドストレージサービスの場合は、共有したい写真をフォルダにまとめておけば、共有リンクとして送るだけで複数のユーザーがアクセスして確認することができます。3.クラウドストレージサービスのデメリット
主要なクラウドストレージサービスでは料金プランによって保存容量が決められています。なかには無制限のサービスもありますが、その場合は保存したデータが圧縮されるかどうかを確認しましょう。せっかく高画質で撮影した写真や動画データであっても、知らずに圧縮がかかって劣化していると悲しいですよね。
クラウドストレージサービスは特定の企業が提供するプラットフォームに依存するため、ある日突然サービス終了が発表される可能性があります。当然のことながらサービス提供終了後はデータがプラットフォーム上から消失してしまうため、別の方法を検討しなければなりません。データの取出しや移し替えも必要になります。また、料金プランが見直されることもありえます。
オンライン上にデータを保存するということは、不正アクセスによってデータの盗難や消失してしまうリスクがあります。プラットフォームへのサイバー攻撃ももちろんですが、個人のアカウントが乗っ取り被害に遭う可能性もあります。
スマートフォンなどからクラウドストレージサービスを利用する場合、アップロードやダウンロードの際に通信容量を消費して通信上限を超えてしまい、速度制限の対象となることもあるでしょう。まとめ