オフィスで簡単利用、10年以上記録保存可能なデバイス、媒体が登場!~ 第1回 訂正・削除防止機能付き長寿命SSD ~
- コラム
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電子帳簿保存法 電子取引の電磁的保存義務、すなわち、“紙での保存は認めず、電子保存のみ認める”に関する宥恕期間も令和5年12月31日と残り僅かとなりました。
この電磁的保存の要件として、不当な「訂正・削除から守ること」、7年間(欠損繰越控除がある場合は10年間)があります。
ビジネスシーンの記録の保存期間は大抵5~10年というところではないでしょうか。また、記録として残しておいたものを失ったり、変更されたりして困らない方は、まず、いないのではないでしょうか。
一方、オフィス(一般事務環境)や個人事業主の事務所で、簡単に使える記録媒体を探しても中々見つけられないのが、実状です。そこで、今シリーズでは、一般事務所で簡単に利用できて、不当な「訂正・削除から守ること」ができ、10年程度の記録の保存ができる新タイプのSSDとBD-Rを紹介します。
第1回は、新タイプSSD、第2回からは新タイプBD-Rについて説明します。
尚、今回は、Verbatim Japan株式会社殿に取材協力頂きました。
大事なデータを削除・破損した経験ありませんか
ビジネスパーソンやフリーランスの方で、大事なデータを削除・破損してしまった経験を持つ方は、どのくらいのいると思いますか。ネットニュースのグノシーによるGrillアンケートの結果によると下図のように、約7割の方が大切なデータを失ってしまったことがあると答えています。ファイルサーバーの場合は、他人にファイルを消されたり、変更されたりすることがあり、その割合はさらに増えると思います。
さて、こんな実状ですが、気をつけて操作をすれば、操作ミスは防げるものでしょうか?ですが、操作ミスは急いでいる時、忙しい時、人手が足りなくなった時にこそ、起きるものなのです。
だからと言って、どの作業も二人一組で、ダブルチェックで防ぐというのも現実的ではありません。これは、事務所での作業上の大きな課題の一つです。
気をつければ、操作ミスは防げるものでしょうか。
さて、このような実態がある中、操作ミスは防げるものなのでしょうか。
事務処理におけるミスの要因は、次の4つと言われています。
- ① 不注意
- ② 仕事への慣れ(省略作業)
- ③ 業務知識の不足
- ④ 関係者(受け渡し者)とのコミュニケーション
そして、そのミスには、“思い込み”も関わっていて、本人には気づきにくいものです。さらに、本人の近くで仕事している人が2重にチェックしても、同質化が進んでいるとミスを見つけられません。
また、ミスは、仕事が多忙で、時間的な余裕のない時ほど発生します。月末、期末の〆作業時など、いつもは補助者と一緒に作業しているのに、たまたま、その日はお休みだったという具合です。
ということで、ミスは減らせるが、なくせるものではないというのが正直なところだと思います。
訂正・削除防止事務規程の意味
「電子取引データの訂正・削除の防止に関する事務規程」を定め、「その規定に沿った運用を行うこと」だけでも、電子帳簿保存法 電子取引の真実性の要件を満たすことができます。
そのためか、「電子取引データの取消・削除の防止に関する事務規程」さえ定めておけばよいと説明があちこちで散見されます。
しかし、これは、重要なポイントである「その規定に沿った運用を行う」点を見逃しています。すなわち、「誤変更、誤削除を含め、改ざん・隠蔽につながる不当な訂正・削除は運用上行いません」を約束することになります。
どうでしょう、「意図した改ざん・隠蔽は言うに及ばず、操作ミスによる誤訂正、誤削除もやりません。ミスは起こしません」と宣言しているのに等しいのです。これを人手だけで実現できるでしょうか?宣言するリスクが高過ぎはしませんか。
訂正・削除防止機能付きPC外付けメモリ
このような時のリスクを低減するため簡単に導入できるのが、「訂正・削除防止機能付きのPC外付けメモリ」です。このタイプのメモリを使用すると、すでにメモリに記録されているファイル名と同一のファイル名で保存しようとするとエラーとなります。すなわち、訂正処理ができません。また、一度メモリに記録されたファイルは削除することもできません。
Verbatim Japan 1回記録用長寿命SSD
Verbatim Japan 1回記録用長寿命SSD SWOVA128G は、このような“訂正・削除防止機能”を持ちます。このSSDは、PCとUSBで簡単に接続できます。
- ① 専用のライティングソフトをPCにインストールしている場合
図1のように、SSDへの書込み、読み込みができます。 - ② 専用のライティングソフトをPCにインストールしていない場合
図2のように、読出しのみができます。
さらに、このSSDは、電子帳簿保存法で要求される10年以上の保存寿命(推定)があります。
ここで嬉しいのが、使用温度/湿度は、“0〜40℃ / 0〜90% (結露なきこと)”であり、一般事務所や個人の事務所でも問題なく長期保存できることです。
長寿命SSDの秘密
SSDと言えば、これまでは、寿命が短いもの、PC内蔵のSSDでもせいぜい5年が限界という認識でしたが、このSSDは10年以上の保存寿命が期待できます。それを支えるのは以下のような素材や仕組みです。
(1)高品質な記憶素子の採用
厳しい選別基準をパスした産業用Flashを採用し、長期安定供給体制としています。さらに、全数、高温環境下にて、全データ領域の動作を確認した高品質 MLC NAND Flash を採用しています。
(2)繰り返し記録を避ける制御
管理領域も含め、特定の物理エリアを何度も繰り返し記録させない制御をしている、このため、NANDメモリの劣化が少なく、より長寿命となります。
(3)寿命予測
SSDからのSMART情報などを参考にして、SSDが寿命に近づくと注意や警告を発報します。
ネットからの攻撃に強い
オンライン状態で、ランサムウェアに晒されたとしても、SSD内の記録済みファイルに対して訂正・削除を防ぎます。オフライン保管することで、より防御性が高まります。
第2回につづく
今回は、オフィス(一般事務環境)や個人事業主の事務所で簡単に利用できる「訂正・削除から守ることができ、10年程度の記録の保存ができる」新タイプのSSDを紹介しました。 次回は、新方式のBD-Rについて説明を続けます。