マンション管理組合・マンション管理会社もPPAP対策をしよう

コラム
セキュリティ

今年は、企業・政府・自治体では、PPAP対策が注目を集めています。もちろん、ピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン」ではありません。政府は、デジタル庁新設にともない霞が関でもPPAP禁止を宣言しました。日立製作所も今年度PPAPを禁止するようです。ところで企業人、政府・自治体職員が暮らすマンションではどうなっているのでしょうか。 今回は、ここに着目して、PPAP対策を提言します。

1.そもそも何故PPAPが危険なのか。

 PPAPとは、以下の略だそうです。
・Passwordつきzip暗号化ファイルを送ります
・Passwordを送ります
・Aん号化(暗号化)
・Protocol
 つまり、メールで添付ファイルを送る時、そのファイルをZIPにし、暗号を付けて相手先に送り、その後のメールで、今のZIPのパスワードはこちら、と連絡するものです。
 もともとは、メール経路での盗聴防止のために、ZIPで暗号化したことが始まりです。しかし一番の間違いは、同じ経路で、パスワードまで送り始めて、それが一般化したことです。
  メールを盗聴しているのなら、ZIP添付ファイルだけでなく、パスワードだって同時に収集できるのは当たり前で、何の対策にもなっていません。また、よくあるメール宛先誤送信に対しては、誤送信先にZIPファイルもパスワードも届けているので、読む気になれば読めてしまい対策にはなっていません。おまけにファイルをZIPにしたり、パスワードを別途送ったり、手間取ります。さらに、安全性から言えば、ZIPで暗号化しても解読される可能性まであるとのことです。  逆に、ウィルスソフトがZIPファイルの形態をしていることも多く、ZIPファイルを扱うことにも危険が伴います。

2.マンション管理組合の統制は弱い

マンション管理組合は、各部屋の区分所有者の集まりで、理事長などの役員組織はありますが、多くは持ち回りで、ITの専門家が常駐しているわけではありません。役員になって初めて、マンションの役員が何をやっているかがわかるという状況にあります。例え、役員になってマンション管理組合と管理会社の間のメールがPPAPであるのに気づいても、それを改善提案している間に次の役員にバトンタッチとなるので、進められないのです。おまけに、ボランティアです、余程、住民の後押しがないと進められません。

3.今年は千載一隅のチャンスです

今年は、PPAP全面禁止と日本中で話題になっています。メールの添付ファイルの危険性を一から説く必要はありません。マンション管理組合、マンション管理会社に提案してはどうでしょうか。

4.クラウドストレージの対策できます

マンション管理組合としてメールを使うのは殆どの場合、役員のみで、それもメールの相手は、管理会社です。クラウドストレージで共有フォルダーを持ち、メールに添付しようとしたファイルを共有フォルダーに置き、メールでファイル名やファイルパスを連絡すれば、メールにファイルを添付する必要がなくなり、PPAP対策ができます。

5.マンション管理組合とマンション管理会社の特殊事情

そうは言ってもマンション管理組合とマンション管理会社には、それぞれの事情があり、すぐにクラウドストレージを導入できるわけではありません。以下に、それぞれの事情の主なところを紹介いたします。
(1) マンション管理組合側
・クラウドサービス事業者と法人として契約できない。(法人化している場合を除く)
・役員は輪番制で、IT担当者を常設することは厳しい。
・管理費が、逼迫していることが多く、役員人数分のライセンスの支払いも予算上厳しい。
・企業に比べれば、メールの頻度は少なく、添付ファイルの容量も少ない。
(2) マンション管理会社側
・マンション管理をしているフロントマンのIT知識は高くなく、クラウドストレージのアクセス管理はできない。
・対応しているマンション数が多く、利用者をカウントするライセンス方式では、管理会社側も負担が大きすぎる。

6.どのようにしていくと導入の道筋が立つか

PPAP対策用のクラウドストレージの導入においては、マンション管理会社側が、顧客満足度アップ、セキュリティ向上を目指し、契約しているマンション全てに適用することを検討することで、道が開けます。すなわち、管理会社側でクラウドストレージを契約し、マンション管理組合役員を招待する方式とします。その上で、管理会社のフロントマンの負担とならないよう、契約マンション毎に共有フォルダーを設定し、担当フロントマンを割付けます。このようなことができるクラウドストレージを選定していくことで、マンション管理会社、マンション管理組合にトータルコストを下げることができます。
 その上で、その負担については、マンション管理組合と按分して行ってはどうでしょうか。

7.まとめ

マンションのPPAP対策を個々のマンション毎に考えているとコストが割高になります。PPAP対策が注目されている今だからこそ、マンション管理組合は、管理会社を巻き込んで、また、マンション管理会社は顧客満足度アップ、セキュリティ向上だけでなく、他社差別化のポイントとして、また、他社に後れを取らないためにも取り組んではいかがでしょうか。

編集長の一押し

マンション管理組合とマンション管理会社間のメールのPPAP対策として導入するクラウドストレージとしては、以下のポイントが重要と考えます。
・クラウドストレージの権限管理をマンション管理会社のIT部門で統制できること。
・契約しているマンションを含め、トータルコストが低くなること。
このようなニーズにぴったりのクラウドストレージがあります。それは、セキュアSAMBAです。
特に、利用ユーザー数は無制限で、容量課金となっていますので、添付ファイル容量がさほど大きくない用途では、コストパフォーマンスが優れているサービスと言えます。また、中小企業向けの導入実績も多く、マンション管理会社のフロントマンやマンション管理組合の役員でも使いやすいものです。

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