個人のたいせつな情報を、災害からどうやって守りますか?
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2019年8月4日19時28分に、福島沖でM6.2(推定)の地震が発生しました。緊急地震速報で驚いた方も多かったと思いますが、実は2011年の東日本大震災の余震だったようです(気象庁発表)。改めて巨大地震の影響に驚かされます。
9月1日は防災の日です。政府の地震調査研究推進本部の「地震発生可能性の長期評価」をみると、30年以内にM8~9クラスの南海トラフ地震が発生する確率は70~80%ですが、これに限らず日本の各地で地震による強い揺れに見舞われるおそれがあることがわかります「(地震調査研究推進本部ホームページ「長期評価 」を参照)。記憶に新しいところでは、災害が少ない岡山県が、2018年の7月豪雨ではたいへんな被害を受けました。地震、台風、洪水など、日本中どこでも安全といえる場所はありません。
個人の大切な情報にはいろいろとあります。お金などの資産情報、身分を証明するための情報、コミュニケーションのための情報、人生の質を高めるための情報など。それらの情報は、災害からどうやって守ったらいいのでしょうか。
いくつか具体例をあげて考えてみましょう。
◆災害で印鑑や通帳、キャッシュカードを失くしてしまったら?
通帳・印鑑・キャッシュカードは、よく大事なものの代表例にあげられますが、実は、大規模災害のときにはそれほど重要性は高くありません。災害救助法が適用された地域の被災者については、日本銀行から金融機関などに対して「災害時における金融上の特別措置」として、「(1)預金証書、通帳を紛失した場合でも預金者であることを確認して払戻しに応じること。(2)届出の印鑑のない場合には、拇印にて応じること。(以下省略)」が要請されます。つまり、窓口に行って、本人確認さえできれば、お金を引き出すことができるのです。なお、大規模災害時には、本人確認については、必ずしも身分証明書本体がなくても柔軟に対応されますので、身分証明書がなくても何とかなります。
◆健康保険証を失くしてしまったら?
◆連絡帳を失くしてしまったら?
◆電子マネーのカード、ポイントカードを失くしてしまったら?
◆想い出の品を失くしてしまったら?
印鑑や通帳、健康保険証、あるいは紙の住所録や名刺、写真などのように、情報が掲載されている個別の媒体自体は、現物を失くしても何とかなりますし、情報によっては後から復元できるように備えてさえおけば何とかなるものです。
実は、重要なのは、そういった個別の媒体自体というよりも、それぞれの情報をもしものときに復活できるようにデータとして持っておくこと、また、それらをスマートフォンやタブレット、パソコンなどの端末で一元的に管理しておくことではないでしょうか。
加えて、一元管理している情報を、いざという時にどう守るかを考えておくことも重要なポイントです。
スマートフォンなどの端末も、本体(SDカード含む)だけに保存していたら、被災により本体が損壊や水没し、データが失われてしまうかもしれません。また、本体自体を失くしてしまう可能性もあります。バックアップをとるなど、本体を失くしてしまったときの対策をしておきましょう。
また、そういった大事な情報を保存しているスマートフォンなどの端末には、画面ロックをかける、セキュリティソフトを入れるなど、セキュリティ対策をしておく必要もあるでしょう。
なお、端末を利用するためにはバッテリーの問題は気になります。余裕があれば電源ケーブルやモバイルバッテリーもセットで持つのがよいですが、ただ、電話やネットが目的でなければ落ち着いてから充電できればよいので、優先度としてはバックアップやセキュリティ対策の方が高いでしょう。
いかがでしょうか。個人の大切な情報を災害から守るために重要なのは、カードなど情報が掲載されている個別の媒体自体というよりも、それぞれの情報をもしものときに復活できるようにデータとして持っておくこと、また、それらを一元管理しておくことです。そのうえで、データのバックアップやセキュリティについてあわせて対策しましょう。
1.災害時にこの情報を失くしたら、どれくらい困る?
複数の口座を持っている人だと、どの銀行に口座があるか忘れてしまうことがありますが、スマートフォンなどで家計簿アプリなど口座を一元管理できるツールを使っておけば、あとから口座のある銀行を確認することもできますね。
2.個人の大切な情報を災害から守るために重要なこと
3.スマートフォンなどの端末も万全ではないーバックアップ、セキュリティ対策が必要
まとめ