【第3回】業務マニュアルを整備して、事務作業のテレワーク化を進めよう。 現状の作業方法の調査 〜作業担当者と話し合おう〜
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本シリーズでは、事務作業のテレワーク化について、業務管理者向けに、その進め方について取り上げています。
「第2回 現状作業方法の調査」では、作業担当者が今使っている業務マニュアルを特定するための情報収集の方法についてご紹介しました。
今回は、集めた業務マニュアルの情報を使用して、業務管理者と作業担当者での認識の差について話し合います。
1.収集した業務マニュアル情報収集シートを確認する
前回紹介しました 業務マニュアル情報収集シート(表1)を収集した結果はどうでしたか。

表1 業務マニュアル情報収集シート
- ・「業務管理者記入欄」の記述と「担当者記入欄」の記述は一致していましたか?
- ・「業務管理者記入欄」に記述がないのに、「担当者記入欄」に記述があるということはなかったですか?
この2点をクリアしている職場は、業務管理者が必要な業務の手順書の指示を行い、業務担当者は、指示された手順書を業務に使っているということで、今回の手続きを省くことができるでしょう。
しかしながら、殆どの職場では、この2点のクリアはできていないと思います。
それでは、この収集したシートから「業務管理者記入欄の記述」と「担当者記入欄の記述」の相違数を以下の項目ごとにカウントし、平均の相違比率を算出しましょう。
- ・業務マニュアルのフォルダー位置
- ・業務マニュアル名称
- ・業務マニュアルのバージョン
また、業務種類別、作業担当者別に細分しての相違の平均比率を算出しましょう。
どうでしょう。自職場の弱点に気づけましたか。
これから業務マニュアルの改善活動に入ります。作業担当者が複数人いる場合は、作業担当のまとめ者を選出しておくことがお勧めです。業務管理者は、業務の手順について「こうあるべき」という目線が強くなりがちです。
実際に作業をする担当者が、やれると自信が持てないもの、作業効率もよいと納得しているのもでないと、業務管理者がいくら作業手順を業務マニュアルで指示しても、作業担当者の実際の作業手順との乖離が起きがちです。
作業担当まとめ者には、作業担当者目線で、「現場の実際からは、こちらの方が効率的です。」と意見をもらえるようにしておくことが重要です。また、業務管理者は、作業担当者から意見を吸い上げる場を設け、普段から作業担当者とコミュニケーションを良くし、意見を言いやすい環境にしておく必要があります。
3.作業担当者との打ち合わせ
業務管理者の方は、1で作成した「業務管理者記入欄の記述」と「担当者記入欄の記述」相違の比率から、どのような理由で、その相違が生じているのかを考えてみましょう。その上で、作業担当者と打ち合わせを持ち、理由を確認してみましょう。その際、作業担当者を責めるのではなく、協力してもらう姿勢が大切です。
なお、実際に手順が、どのように相違しているかの確認は、後のフェーズで行います。
4.業務マニュアルと実作業の作業に相違がある理由
業務管理者が指示している業務マニュアルと実作業に相違が発生してしまうのには、様々な理由があります。ここでは、幾つかを紹介します。実際には、これらが組み合わり、複合的になっています。
(1)業務管理者は、作業担当者のためではなく、形式的に業務マニュアルを作成したに過ぎない
内部監査対策やISO認証の取得が目的化している場合に、このようなことが起きてしまいます。
(2)業務マニュアル遵守を作業担当者に、都度徹底していない。
一回宣言するだけではなく、定期的に、また、ことあるごとに徹底することが必要です。
(3)業務管理者と作業担当者のコミュニケーションが不足している。
作業担当者から頼りにされる業務管理者であることが必要です。
(4)メンバーが、長年固定化しており、表面上作業ができてしまう。
深刻な属人化が進行します。
(5)現場の作業に合っておらず、効率が悪いので、手順を変えてしまった。
業務管理者と作業担当者のコミュニケーションが不足している可能性があります。
(6)業務マニュアルを遵守していることを定期的に確認していない。
PDCAのCが抜けています。
(7)業務管理者が、業務マニュアルにない個別作業を作業担当者にさせることが多い。
管理責任者自らが業務マニュアル遵守を軽視していること作業担当者に感じさせています。
(8)手順の意図を説明していないので、作業時間が短くなるよう省略した作業を行う。
手順の意図を説明しておかないと最悪の場合、作業ミスにつながります。
(9)作業ミスが発生した時に、都度、原因を確認していない。
管理責任者自らが業務マニュアル遵守を軽視していること作業担当者に感じさせています。
5.業務マニュアルの尊重と順守
作業担当者との打ち合わせの後、業務責任者は、作業担当まとめ者と十分な時間を取って、表面的な理由や原因だけではなく、真の原因を考えることが大切です。
業務責任者は、真の原因を理解した上で、「業務マニュアルの尊重と遵守」を期して、その改善に取り組みましょう。
業務責任者として、「業務マニュアルの遵守の徹底を呼び掛けることに」ばかりに注力するよりも、「作業担当者が、業務マニュアルを順守しながらも、作業を効率的に行えるようにすること」に注力する方がよいと考えます。
6.まとめ
業務マニュアルが実作業と異なっていることは多くあります。業務管理者は、何故、相違が発生しているか、その原因、真の原因を考えましょう。これを考えておかないと、テレワーク用の業務マニュアルを作成しても同じことになってしまいます。