1日に写真は2000枚!? フリーランスとして働く写真家さんに聞く! データ管理の方法と課題。そして理想の保管方法とは?(後編)

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 前編では、フリーランスとして働くフォトグラファーの石川さんに、データ管理の現状と課題をお話しいただきました。石川さんは、2つの外付けHDDで保存はしているものの、両方とも自宅に置いてあるので何か物理的な災害があったら心配とのことでした。
 では、どのような保管方法が理想なのでしょうか。後編では、その方法は何かを考えます。

 【前編からの続き】

3.安全・安心で使い勝手も良い保管方法とは

 データの管理方法については、フリーランスを対象としたアンケート調査結果を見ると、利用中のデータおよび納品後のデータの管理に不安を抱えているフリーランスが85%にものぼることが分かりました※1

※1. ボウラインマネジメント社調べ「データ管理に関するインターネット調査」調査対象:国内のフリーランス(約7割がエンジニア・ライター・デザイナー)、回答:123 名(約 7 割がフリーランス歴 3 年以上)、調査方法:インターネット調査、調査時期:2019 年 11 月



前編で話が出ていたデータ保管方法は、外付けHDDとクラウドストレージサービスです。その方法について検討しましょう。

<外付けHDDについて>
 外付けHDDのメリットは大容量のデータを保管できるということ。またHDDが登場してからもう数十年も経っているので扱いに慣れているという人も多いと思います。しかし、構造上衝撃に弱く、うっかり落としてしまったら壊れてしまい、データが見られなくなってしまった、という事態も珍しくありませんし、そもそも寿命はあまり長くありません。
 保存方法としては、HDDの他、SSD、SDカード、CD・DVD・BD(ブルーレイディスク)、USBメモリなどがありますが、このような写真や動画の保存方法については、情報資産管理マガジン『写真や動画データの保存、どうしていますか?保存方法のメリット・デメリット』で詳しく書かれておりますのでこちらもぜひ参考にしてください。


<クラウドストレージサービスについて>
 上記の情報資産管理マガジンの記事にも記載している通り、メリットとしては、安価で利用できる、物理的な記録メディアとは違い、記録メディアを自分で管理する必要がない、自分以外の人と共有しやすい、そのほか、インターネットさえあればどこでもデータを取り出し、閲覧できるという便利さもあります。しかし、見逃してはいけないのはデメリット。料金プランによって保存容量やファイルサイズに制限があることや通信コストがかかってしまうこと、さらにはサービスプラットフォームが、予告もなく急にサービスの提供を終了するリスクがある、不正アクセスによるデータ消失・情報漏えいのリスクがあるといったこともあります。クラウドについては、情報資産管理マガジン『クラウドは万全ではない―バックアップの必要性について』でも触れていますのでこちらもぜひご覧ください。


 

これら保管方法に関してはメリットはあるものの、確実にデータを護る、つまり保全できる方法とは言えません。
 そもそもデータには、頻繁に使っている間のデータ(ホットデータ)と、あまり使わないデータ(コールドデータ)があります。普段使っている間のいわゆるホットデータは、利便性が重視されますので、バックアップが重要になります。
 ところで少し視点を変えて、紙の文書など、他の例をみてみましょう。紙文書の場合は、すぐに使うものはデスクの上か袖机の中、あまり使わないものは本棚や、重要なものは金庫、企業の場合は社内の書庫、あるいは外部倉庫(ドキュメントマネジメントセンター)に保管されることが一般的です。
 また、日常生活に置き換えると、食べ物や洋服も同じです。食べ物もすぐに手を出して食べるお菓子はテーブルの上に置きっぱなしかもしれませんし、しばらく置いておきたいものは冷蔵庫などで、洋服もそう。普段あまり着ないものは、衣替えの際に押し入れの奥やトランクルームに入れたり、クリーニングの保管サービスに預けたりするなど、使い分けていますね。

 それでは、普段あまり使わないデータだけれども、護りたいデータはどうすればいいでしょうか。紙文書における金庫や外部倉庫、日常生活における冷蔵庫やトランクルームに該当するものは何でしょうか。
 重要なキーワードの一つは、「長期保管用の記録メディア」によるオフライン保管です。記録メディアにはHDD、磁気テープ、光ディスクなどがあります。情報資産管理マガジン『データの“永年保管”と、そのために必要な対策・仕組み(後編)』でも述べていますが、それぞれの記録メディアにはメーカーが目安としている寿命があるので、それを必ず確認し、バックアップ用に、保存用に、ふさわしいメディアを選んでください。そして、その寿命が来る前に、新しい記録メディアにデータを移行していくことで確実に長い間保管することができます。
 ただし、長期保管用の記録メディアの利用は、個人では手間やコストの面から難しいことも確かですし、災害対策も大変です。そこでもう一つのキーワードとして、専門的な業者に頼んで別置保管することが求められますが、フリーランスを含めた個人が使いやすいサービスは限られるのが実態です。

まとめ

 フリーランスとして仕事をしていくには、取引先からの「信頼」、そして自らの「知財・情報資産」を守ることが重要です。そのためには、データの管理が重要。再度、自身のデータ管理方法を見つめ直し、自分に合った最適な方法を見つけてください。データをしっかりと保全することは、未来の自分への投資です。

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